FreeBSD(98)+PAO98をインストールする

1998-08-30 初版

ノートパソコンPC-9821Lt2にFreeBSD(98) 2.2.6-Rev02 +PAO98 をインストールした時のメモです。今回はDOS領域をインストールに使わず、LANカードを用いてPC9801BXにanonymous(匿名)ftpしインストールします。家庭内LANの構成はこのようになっています。

  1. アーカイブの入手&展開

     まずは、FreeBSDのアーカイブを入手します。FreeBSDは、PC9801BXの匿名ftp用のディレクトリ(/var/ftp/pub/FreeBSD/2.2.6-RELEASE/)に入れます。2.2.6-RELEASEディレクトリは絶対作るようにします。最低限 bin, src/ssys.*, 98bin, 98src が必要です。匿名ftpはsysinstallを用いて簡単に構築できます。
     また、PCカードを用いるため、PAOパッケージが別途必要です。必要なファイルは、pao98-980806.flp、PAO-980430.tar.gz、PAO-980430-pc98-980806.tar.gzです。これらはPC9821Lt2のDOS領域に入れておきます。*.tar.gzはなくても構いません。ブートフロッピーを作るためのrawrite.exeもDOS領域に入れておきます(tools98の中にある)。

  2. ブートフロッピーの作成

     PC9821Lt2でMS-DOSを起動(Windows95ならDOSモード)。空のFDをformat /5でフォーマットします。
     次に、rawrite.exeを使ってpao98-980806.flpをFDに書き込みます。

  3. フロッピーから起動

     PCカードスロットにLANカードを挿し、先ほどのFDを入れ、再起動します。画面に boot: が表示されたら -cv と入力します。するとUserConfigモードになるので、各設定を行います。プロンプトが表示される場合は、visual と入力しビジュアルモードにします。
     不要なデバイスはDELキーで削除します。SCSI関係は不要です。ネットワーク関係はここではさわらなくて構いません。設定が終わったらQで終了しブートします。

  4. LANカードは認識するか

     LANカードがちゃんと認識するかチェックしましょう。メモリアドレスはデフォルトです。IRQもそのままです。私のカードはed0として認識しました。ここで認識できないとインストールできません。

  5. インストール画面が表示されたら

     インストール画面が表示されたら、カスタムインストールを選択します。

    1. オプション選択

       特に変更しなくても構いません。Media typeは後から変更します。

    2. パーティション選択

       FreeBSDをインストールするスライスを選択します。インストールしたい場所を指定してCで作成します。DOS領域に入れるならDで削除してから作成します。今回はwd0s1はDOS領域ですでにあるので、残りをwd0s2として作成します。

    3. ディスクラベル選択

       スワップ領域とファイルシステムを作成します。まず、wd0s2を選択。つぎに、スワップ領域を64MB作成。残りはすべて/(ルート)にマウントするようにしました。

    4. インストールする配布パッケージを選択

       ここでは、bin,98bin,srcのsys(/usr/src/sys),src98を選択します。

    5. メディア選択

       今回は、FTPを選択します。
       デバイスはed0、FTPサイトはURLを指定します。PC9801BX(192.168.0.2)からFTPするので、ftp://192.168.0.2/pub/FreeBSD/と指定します。DNSを設定していないためホスト名は使用できません。
       自分のホスト名とIPアドレスを決定します。pc9821lt2(192.168.0.3)にします。ドメイン名、デフォルトゲートウェイは内部LANなので指定しません。

    6. コミット(インストール)

       うまくいけばFTPからファイルをGETし始めます。

     インストールが終了したら一番始めのメニューに戻ります。

  6. 必要な設定

     設定を選び、以下の項目を設定します。

    1. ユーザ設定

       一応、グループ名と自分用のユーザを設定します。なおメンバグループにはwheelを指定しておきましょう(suコマンドでユーザーrootになるため)。

    2. タイムゾーン

       日本の時間を指定します。最初はNOを選択。

    3. ROOTパスワード

       rootユーザになるためのパスワードを指定します。

     設定が終わったら導入終了。FDを抜いて再起動します。

  7. 再起動後の設定

     再起動するとLANカードは認識しなくなります。このカーネルはまだPCカードに対応していないためカーネルを再構築します。rootでログインし、まずsysinstall pccardを起動します。

    setenv TERM cons25w (cshの場合) または TERM=cons25w; export TERM (shの場合) /stand/sysinstall pccard

    メニューはOKを選びます。この中でカーネルがコンパイルされます。だいたい30分ぐらいかかります。APMとPCカードは有効にしましょう。

    このメニューが終了したらまた再起動します。

  8. はたして起動するか

     boot: がでたら -cv を入力してUserConfigを行います。ここで起動できればインストールはひとまず完了。
     さらにカーネルを再構築するならPAO-980430.tar.gz、PAO-980430-pc98-980806.tar.gzを/usr/srcに展開しておくとよいでしょう。詳しくはPAO-980430-pc98-980806.tar.gzの中にあるREADMEを読みましょう。


戻る